なぜ人気?年々注目度が高まる平屋 特長と延床面積別の施工事例を紹介

2023年に続き、2024年の住宅トレンドワードの一つになっている「平屋」。今や20代30代の子育て世代から中高年世代、そしてシングル世代からも注目度が高まっていて、平屋を選ぶ家庭が増えています。どのような理由で平屋が人気を集めているのか。本記事では、現代の価値観にマッチする暮らしを実現できる平屋の魅力と、延床面積別の施工事例を紹介します。


平屋の魅力

耐震性の高さ

平屋は2階建て以上の建物に比べてシンプルな構造をしていて、重心が低く建物自体も軽くなります。そのため、地震の揺れや台風による強風の影響を軽減し、大きな被害を受けにくい家にできます。

メンテナンス費用を抑えられる

住宅は建てて終わりというわけにはいかず、築10年を目安にメンテナンスや修繕が必要になります。外壁や屋根の修繕時でも、平屋であれば2階建て以上の建物に比べて高所での作業が少なくなるため、専門業者への依頼費用を抑えられるのです。また、簡単な修繕や清掃であればDIY感覚で行える点でも、メンテナンス費用の軽減につながります。

間取りの自由度/天井の高さを生かす空間構成

平屋では階段を設置する必要もなく、構造上の制約が少ないため、ワンフロア全体を使って自由な発想で間取りを考えられるでしょう。また、上階がないので天井を高く設定できることから、家全体の天井高を上げたり勾配天井を取り入れるなど、床面積に対して開放感のある空間が作りやすくなります。

シンプルな生活動線/家事負担の軽減

キッチンから洗濯エリア、物干し、収納まで、すべてが同階にあるため移動が楽になるはずです。掃除においては、用具を持って階段を上り下りする必要がなくなるだけでも、負担が大きく軽減できます。さらに、家全体のフロア掃除をお掃除ロボットに任せてしまうという選択肢ができるのも、ワンフロアならではのメリットです。

バリアフリー

人生100年時代と呼ばれる現代で、ライフステージの変化にも柔軟に対応できるのが大きなメリットの平屋。小さなお子さまがいる家庭では、上下階を移動する負担や不安がなくなり、より安心で安全な住まいになります。そして、自分や家族が高齢になった時には、少ない負担で家全体を移動できるため、長く快適に暮らせる家だと言えるでしょう。

家族のつながり

同じフロアであれば、誰がどの部屋にいるのかを感じ取りやすくなり、フロアが分かれている家に比べて顔を合わせる機会が多くなります。お子さまが成長して自分の部屋で過ごす時間が増えたとしても、帰宅するタイミングや部屋にいる気配が感じられる安心感があります。つながりのある空間を共有し、家族間のコミュニケーションが取りやすくなるのは、平屋の大きな魅力です。


20坪台から実現可能! 平屋の施工事例【床面積別】

20坪台の平屋

閑静な街中に立つ約23坪の平屋。玄関からリビングへのアプローチには通り土間が採用され、町家の雰囲気を持つ空間構成になっています。道路に面する窓には障子を組み込むことでプライバシーを確保しつつ、柔らかな光で明るさを確保。勾配天井で縦への広がりが生まれ、コンパクトながらゆとりが感じられる住まいです。

リビングの床には無垢のヒノキ、天井には能登ヒバが使用され、木のぬくもりが感じられる空間です。

寝室は勾配天井の高さを利用したロフトを設け、大容量の収納スペースを確保しています。

30坪台の平屋

住宅街に立つ約36坪の平屋。許容応力度計算で、最大基準の耐震等級3を取得した頑丈な家です。室内には自然素材をふんだんに使い、柔らかな雰囲気に。高天井を生かして設置された小屋裏収納は、リビング側に壁を作らず勾配天井に沿って視界が抜けることで、コンパクトな間取りでも広がりを感じられる空間構成になっています。

LDKの天井はヨシベニヤの羽目板、床は無垢フローリング、壁には珪藻土が使用されています。

和室からLDKの天井を見上げると目に入る美しい羽目板のラインが、奥行きを感じさせます。

40坪台の平屋+α

角地に立つ、40坪台の平屋ライクの家。外と内のつながりを持ちながら、プライバシーへの配慮が行き届いています。道路に面する開口部の前には植栽を設け、光と景色を内に取り込みながら、外からの視線は柔らかく遮って目隠し。家族が長い時間を過ごすLDKには、フェンスで囲んだ庭に向かって大きな開口を設け、明るく開放的な空間構成になっています。

LDKの大きな開口からは庭に向かって視界が抜け、外と内のつながりが感じられます。

リビングの奥には造作のテーブルと棚が設けられたスタディスペース。広々とした空間でも家族のつながりを感じられる間取りです。

60坪台の平屋+α

広い敷地内に立つ、60坪台の平屋ライクの家。LDKに設けられた大きな開口から見える、四季折々の変化が楽しめる美しい庭。リビングや廊下など、家のあちこちに取り入れられた欄間。先祖代々大切にしてきた家族の歴史が感じられる住まいです。広々とした室内でも、寝室、家事室、脱衣室など、動線を意識した間取りで、家事の負担を軽減する工夫が施されています。

LDKのリビングエリアは勾配天井になっていて、一段と開放的な空間になっています。

洋室とウォークインクローゼットの間にも欄間が取り入れられています。


まとめ

構造上の安全性が高く、メンテナンスの負担が少ない家。さまざまなライフステージの変化にも対応できる家。安心して長く住み続けられる平屋は、まさに現代の価値観にマッチする魅力が備わる住まいです。

最近では30坪以下のコンパクトな平屋の需要も多く、建築数も増えています。多様なスタイルの施工事例を参考に、理想の家づくりを実現する選択肢の一つとして、平屋を検討してみてはいかがでしょうか。